国立大学法人岩手大学(凤凰体育平台:小川 智、以下 岩手大学)、NTTコミュニケーションズ株式会社(代表取締役社長:小島克重、以下 NTT Com)は、岩手大学農学部動物科学科3?4年生および大学院総合科学研究科農学専攻動物科学コース1?2年生を対象に、NTT Comが独自に開発したノーコードAI開発ツール「Node-AI」*?を用いて、高度なプログラミングを行わずに直感的操作でデータサイエンスやAIの理論と実践を学ぶことができる「データサイエンス実践基礎」と題した講義を11月8日より開始します。
岩手大学では、2024年6月に農学部附属畜産飼料総合教育研究センター(AFSeC:Animal Feed Science Center、以下 本センター)を発足しました。農業?畜産業では、これまで経験や勘に頼って行われてきたプロセスが多く存在しますが、飼料生産や流通の効率化をめざすには、データサイエンスによる科学的な分析とAIによる予測に基づいた意思決定が必要となってきます。そこで本センターでは、飼料流通?データサイエンス(DS)部門を設置し、IoTを活用したデータ収集やデータサイエンスの取り組みを開始しています。
しかし、農学分野にデータサイエンスを応用できる人材の養成が十分に進んでおらず、教育カリキュラムの整備不足や、実際の農業?畜産業の場面で活用できる実践的なスキルを学べる環境が限られている、といった課題がありました。
このような背景を踏まえ、NTT Comは独自に開発した「Node-AI」を活用し、学生および教員がデータサイエンスやAIの技術を体系的に学習できるデータサイエンティスト養成プログラムを開発しました。AI活用の促進にあたり障壁となっていたデータ分析におけるプログラミングに対しても、ノーコードAI開発ツールを導入することで、学生は高度なプログラミングをすることなく、データ分析プロセスに集中できるようになります。
また、課題の選定、解決策の検討、生み出される価値の理解、成功基準の設定など、実際にはデータ分析の技術面だけでなく、データ分析プロセスの全体像を俯瞰的に捉える力が必要であり、その能力についても「Node-AI」を活用した本講義で、養成が可能となっています。
本取り組みを通して、飼料生産や家畜飼養など次世代の畜産業の発展や地域創生に寄与する農学系データサイエンティストを養成します。
本講義では、理論を中心とした座学とノーコードAI開発ツール「Node-AI」を活用したハンズオン演習を実施します。データ分析に必須な要素をテーマ毎に扱い、生成AIや因果推論といった最新技術についても解説します。また、NTT Comが独自に開発したWeb教材「Node-AI Academy」*?および「ごちきか」*?などをベースとした教材提供を行います。
岩手大学は、より多くの学生にデータサイエンスに関する実践的なスキルを提供することをめざします。また、自身の専門分野にデータサイエンスを活かせる人材を継続的に養成し、本講義の受講者が自らAI等を活用した分析?開発に取り組み、データ分析力や問題解決能力を高めます。卒業後に岩手県や地域社会に貢献する次世代のAI人材を養成するリカレント教育基盤を築きます。
NTT Com は、本講義の成果を踏まえて、今後、全国の教育機関や企業に対してデータサイエンティスト育成プログラムの展開を推進し、Node-AIを活用しIoTデータを含むさまざまなデータを分析することにより、次世代の一次産業の発展や地域創生、社会課題の解決に貢献します。
*1:Node-AIとは、前処理、学習、評価などのAI開発に必要な機能をドラッグ&ドロップで直感的に繋ぎ合わせることで、プログラミングすることなくAIの開発ができるNTT Comが提供するサービスです。( https://nodeai.io/)
*2:Node-AI Academyとは、ノーコードAI開発ツール「Node-AI」を用いて手を動かしながらデータ分析の理論と実践を学ぶことができる初学者向けの学習教材です。( https://resource.nodeai.io/)
*3:ごちきかとは、データ分析者向けにNTT Comの研究成果をはじめとする時系列解析の専門的な理論?ノウハウをまとめ、無償公開しているナレッジベースです。( https://gochikika.ntt.com/)